1. 対等な音楽家同士が紡ぎあげる音楽

トラオムでは指揮者も参加者の一人です。
プロの指導者ではないため「先生と生徒」の関係ではなく、「対等な音楽家同士」の関係で試行錯誤しています。
そんな環境で創り上げられた音楽は音の表情が豊かです。

2. 活き活きとしたアンサンブル

トラオムは練習はもちろん本番ですら今まで起きなかった「何か」を意図的に起こすことがあります。「お、そのテンポでいく？」「それならこういう音色かな？」と奏者同士互いの演奏に反応し合いながらアンサンブルを楽しんでいます。
そんな遊び心から生まれる活き活きとしたサウンドをお楽しみください。

華やかな大学祝典序曲、優雅な旋律が特徴のモルダウ、激しい情動が感じられるブラ4。本公演で演奏する曲目は多くの人に愛されてきた名作ばかりで、私にとっても大好きな曲たちです。
特にメインのブラ4は人間臭い葛藤が生々しく描かれており、この曲に向き合うと心が強く揺さぶられる感覚がします。人間ブラームスが迷いや葛藤の末に描きあげた紛れもない傑作です。

トラオム祝祭管弦楽団は会社員や学生などから構成されているアマオケです。メンバーたちは音楽だけでなくそれぞれの仕事や生活の中で喜びや葛藤を抱えていることでしょう。今回の曲目はそんな人間としての情動が表現に反映されやすい曲目だと思います。
トラオムでは奏者たちが良い意味で主張が強く、「こう演奏したい」という表現への欲を示し合い、感じ合いながら演奏しています。そんな良い音楽を探究する息遣いが感じていただける演奏ができればと思います。

ブラームス
：大学祝典序曲 ハ短調 作品80

ブラームスがブレスラウ大学から名誉博士号を与えられた返礼に作曲した祝典序曲。ブラームス自身は華やかなファンファーレのような作風を好まなかったとも言われていますが、この作品が多くの人に愛されているのもまた事実です。

スメタナ
：連作交響詩『わが祖国』より「モルダウ」

「チェコらしさ」を探究した作曲家スメタナが残した最高傑作「モルダウ」。チェコの人々のみならず日本の我々も一度はその旋律を耳にしたことがあるでしょう。

ブラームス
：交響曲第4番 ホ短調 作品98

せっかく作曲しても納得がいかなければ楽譜を破棄したといわれるブラームス。そんな彼が強い自信を持って世に送り出した交響曲第4番はブラームスらしさが色濃く現れている作品と言えるでしょう。激しい情動と強い決意に満ちたブラームスの傑作です。