第1回 総監督 米本明

トラオムは2度目の夢を描こうとしている。

ブログ記事を読んでくださっている方ならご存知の通り『夏の夜の夢』演奏会は大盛況、今回は『オール・サンサーンス・プログラム』と題して取り組んでいる。トラオム復活に際し開設されたこのHPでは演奏会に向けて定期的にインタビュー記事を掲載することとなった。

記念すべき第1回に、当団を発足し全曲の指揮を務める総監督の米本明は最もふさわしい人物であろう。現在すでに他の楽団からも出演オファーを受けている彼の描こうとしている2度目の夢について聞いた。

取材・文/水谷 有輝
撮影/安藤 詩音里

トラオムを復活させた『声』

—トラオム復活のきっかけを教えてください。

結論だけ言うとみんなからの声ですね。

団長とも第2回の話をしてはいましたが、そもそも単発のオケとし始めているし奏者のみんなが忙しくて出られないんじゃないかと思っていました。でも奏者やお客さんからの声がとても大きくて、全然心配することじゃなかったんです。第1回は僕のわがままで始めたけど、そのおかげでみんながすごく良かったと思ってくれて第2回をやりたいと言ってくれるんだっだらその声に応えたいし、トラオムっていう楽団が価値のあるものだったってことだし、それならこれからもトラオムを残していきたいと思うようになりました。

死から生へ。サン=サーンスで描くコントラスト

—オール・サン=サーンス・プログラムと題されていますが,各曲の魅力や聴きどころを教えてください。

死の舞踏は不気味で怖い雰囲気の演奏が多いですけれど、それはきっと今の時代の僕らから見た死の舞踏なんです。トラオムの死の舞踏は死者が生きていた頃の苦しみから解放された死者の世界の踊りにしたくて。だから僕たち奏者が死者になって、観客の皆さんを不気味だけどどこか楽しげな死者の世界に迷い込ませる、そんな演奏にしたいです。

協奏曲は『歌』ですね。もともと協奏曲っていう形式ってオペラのアリアを器楽にした、強弱記号のピアノの使い方とかがすごく魅力的だしオルガン付き もそうだけれど色彩の変化が面白くて。そんな協奏曲を歌として聴かせられたらいいなと思っています。

最後にオルガン付きですが協奏曲にも共通してトロンボーンが魅力的な曲だと思います。トロンボーンって神様の楽器と呼ばれていて、オルガンもそうですけど教会で演奏される楽器でした。オルガンとトロンボーンが目立つ曲、教会の音楽の中に もともとチンピラが弾いていたような楽器が呼び込まれていく過程で音色が変化していって、最終的に神々しさのある曲になるように作っていきたいです。

チラシに載っているキャッチフレーズの通り死から始まって生、栄光に向かって終わるすごく自信のあるプログラムにできたかなと思っています。 

総監督から見たトラオム

—今のトラオムの印象について教えてください。

第1回の時からそうですけど、奏者と指揮者、奏者の間、双方向から音楽を作れるようになってきていて。練習では棒で多少示したりはしてますけど、みんなからのアイディアが演奏の中でどんどん出てくるのでそれをまとめていったり。僕が一人でオケの真ん中であれこれ言って作るんじゃなくて、みんなで音楽を作っている感じ。僕は練習を楽しいと思ってやってるんですけどみんなも楽しいとおもってやってくれているといいかな。多分思ってくれていると思います。指揮者が学生なのでそういうところが良いところだなと思ってます。

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