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対談#1 コンマス×コンマス

オーケストラをけん引するコンサートマスター小栗(1幕)・加古(2,3幕)に、今回の演奏会の注目ポイントやコンサートマスターならではの苦労などを伺いました!


「こうもり」の推し○○は?

小栗 推し場面でいうと、懐中時計を使ってアイゼンシュタインがロザリンデを口説く曲(2幕No.9)で、ロザリンデがアイゼンシュタインから時計を奪う場面が好きで。「こうもり」の中でも見せ場の一つだから、弾くのが楽しい!
特に2ndヴァイオリン的には、散々裏拍をやっておきながら急に表拍になるトラップもあって楽しいんだよね(笑)

加古 私はやっぱり2幕のフィナーレの乾杯の歌かな!全員で盛り上がるし、オケは同じことを3回繰り返しているけど、歌の人が入れ替わっているからそれぞれの違いを聴くのが楽しい!


加古 あと推しキャラは?

小栗 推しキャラは、やっぱりアルフレードが好きなんだよね~。本当におかしい奴で(笑)
まず元カノで今は人妻のロザリンデのところに、旦那が捕まるっていう情報を聞きつけて歌いながらやってくる時点でおかしいし、刑務所長のフランクに「奥様(ロザリンデ)と別れのキスを」って言われてテンション上がって別れのキスをして「自分がアイゼンシュタインです」って言って逮捕されるのもおかしい(笑)
で、逮捕された挙句、牢獄で歌ってるのもおかしい(笑)なんだこいつっていう(笑)

加古 憎めないやつ(笑)

小栗 「こうもり」一番のギャグキャラだよね。
アデーレも1幕で「叔母さんが危篤なんです!」って嘘をついて休みをもらおうとするところがギャグシーンではあるんだけど、一貫してギャグやってるのはアルフレードの方だと思う。加古ちゃんは誰が推しキャラ?

加古 推しキャラかぁ…全員個性があって決めきれないんだよね。
キャラじゃなくて歌手になっちゃうんだけど、推し歌手はロザリンデ役の田村早紀さん!
ロザリンデのキャラ自体も好きなんだけど、田村さん自身の人柄も好きだし、歌声もはっきりした美しい声で素敵!

小栗 普段もめちゃくちゃ声が通ってるもんね(笑)

加古 そう、普通にしゃべっているときからめちゃくちゃいい声!


「こうもり」のVnパート、難しいところは?

加古 私的には、思いっきり弾けないところかな(笑)

小栗 一生懸命弾いてしまうと、歌を掻き消しちゃうから…。

加古 うん。だから時々出てくるオケ主体で弾くところを頑張ってる!

小栗 1stヴァイオリン気質だね(笑)

加古 みんなウズウズしてるの。思いっきり音を出させてもらえないって感じで(笑)

小栗 2ndヴァイオリンは「裏打ちは任せてください」っていう気持ちでやってる。
大体好きなんだけど、唯一の欠点は裏打ちで右手を止めては動かし、止めては動かしを繰り返すから肩が凝るっていう(笑)それでも楽しいかな。


コンサートマスターとして難しいところは?

加古 今回はやっぱり歌や指揮と合わせるところかな。

小栗 それは本当に!!マジでそう!!

加古 歌に合わせたくなっちゃうけど、歌を聴いて入ると遅いから、指揮者を信じて合わせる感じだよね。

小栗 自分は1幕でコンマスをやった後、2幕からは2ndヴァイオリントップになるんだけど、2ndヴァイオリンは指揮者・ヴィオラ・2nd全体って感じで完結するのが、コンマスだと右目の端っこで歌手、右目上あたりで指揮者、左目でフルートトップを中心に管楽器を見るっていう、まるでカメレオンみたいな視界で捉えなきゃいけない。

加古 あと、本番は歌手の口元が基本的に見えないから、練習の段階でも歌手の口の動きを見て感覚をつかむ癖をつけないようにしてる。

小栗 そうそう。だから、歌手個々人の動きの特徴を捉えながらやってるかな。大変だけど、歌と合わせるのは楽しいよね!

加古 いい演奏会になりそう!残り1か月頑張ろう!


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